葬祭業には、この仕事ならではの倫理があります
法令を守ることは、どの業種でも当然の前提です。そのうえで葬祭業には、この仕事の性質から生じる固有の課題があります。当社が社内で繰り返し確認している事項を、包み隠さずご説明します。
判断力が低下している場面での説明責任
ご逝去の直後、ご家族は強い動揺のなかにいらっしゃいます。睡眠がとれていない、看病で疲れきっている、親族間の連絡に追われている。そうした状況で、葬儀の内容と費用を短時間で決めなければなりません。
この場面で、葬儀社とご家族のあいだには大きな情報の差があります。私たちは何が必要で何が不要かを知っていますが、ご家族の多くは初めての経験です。勧められれば断りにくく、比較する時間もありません。
当社はこの立場の差を、最も警戒すべきものと位置づけています。具体的には、次のことを担当者に義務づけています。
- 金額は口頭ではなく書面でお示しし、総額をご確認いただいてからご了解を得ること。
- その場で決めなくてよい事項と、今決める必要がある事項を、明確に分けてご説明すること。
- ご家族が迷われている場合に、決断を促す言い方をしないこと。
- ご高齢の喪主様の場合、可能な限り他のご親族にも同席いただくようお願いすること。
- ご契約後であっても、変更やキャンセルの条件を明確にお伝えすること。
宗教・宗派に対する中立
葬儀は宗教儀礼と深く結びついています。仏式、神式、キリスト教式、無宗教。仏教のなかにも多くの宗派があり、作法も異なります。
私たちは、いずれの宗教・宗派に対しても中立の立場をとります。特定の宗教や寺院を勧誘することはしません。ご家族に菩提寺がある場合は、まずそちらへご連絡いただくようお伝えします。菩提寺があるにもかかわらず別の寺院で葬儀を営むと、後の納骨で問題が生じる場合があるためです。
菩提寺がない、あるいは分からないという場合には、ご希望の宗派の寺院をご紹介することもできます。その際も、複数の選択肢と費用の目安をお伝えし、ご家族にお選びいただきます。宗教儀礼を望まれない場合は、無宗教のお別れの形もご提案します。
訃報情報の取り扱い
当社がお預かりする情報は、その多くが極めて機微なものです。ご逝去の事実、死因、ご家族の構成、ご住所、ご葬儀の日程と場所。これらは、ご家族が知らせたいと望む範囲を超えて広がってはならない情報です。
当社では次のとおり取り扱っています。
- 訃報の公開範囲は、必ずご喪主様のご意向を確認したうえで決定します。
- ご家族の許可なく、式場の看板やウェブサイトにお名前を掲出しません。家族葬で外部に知らせたくない場合は、館内表示も控えます。
- お問い合わせがあった場合も、ご家族の了解のない第三者には日程や場所をお伝えしません。
- 業務で知り得た情報を、社外はもちろん、業務に関係のない社内の場でも口にしません。
- お客様の情報を、他社や関連事業者に提供して営業に用いることはしません。
個人情報の取得・利用・管理の詳細についてはプライバシーポリシー、情報システムの取り扱いについては情報セキュリティポリシーをご覧ください。
公正な取引
葬祭業は、病院、介護施設、寺院、火葬場、近隣の事業者と関わりながら成り立つ仕事です。この関係のなかには、公正さを損ないやすい場面があります。
紹介における金銭の授受
ご家族に葬儀社を選ぶ余地がないまま、紹介によって業者が決まる。そうした慣行が業界の一部にあることは事実です。当社は、ご家族の利益に反する形での紹介手数料の授受を行いません。ご家族には、他社と比較していただいて構わないことを必ずお伝えします。
寺院との関係
お布施は、ご家族から寺院へお渡しいただくものであり、当社が受け取るものではありません。金額の目安をお尋ねいただいた場合は一般的な範囲をお伝えしますが、当社が定めることはありません。
近隣への配慮
式場の周辺は、住宅や商店のある地域です。車両の停め方、深夜早朝の物音、ご会葬者の誘導について、近隣の方々にご迷惑がかからないよう配慮します。ご指摘をいただいた場合は速やかに改善します。
取引先との関係
返礼品、料理、生花、印刷物などの仕入先に対して、不当な値引き要求や支払いの遅延を行いません。無理な条件を押しつければ、その負担は最終的に品質として現れ、ご家族に返ってしまいます。
社内教育
これらの事項は、入社時の研修で全員に説明したうえで、定期的な社内研修で繰り返し確認しています。実際に起きた事例やご指摘をもとに、どう対応すべきだったかを話し合う形式をとっています。
また、葬祭ディレクター技能審査をはじめとする資格取得を支援し、法令や実務の知識を継続的に更新できるようにしています。詳しくは資格・許認可・加盟団体をご覧ください。
通報・ご相談の窓口
当社の対応に問題があると感じられた場合、担当者を通さずにご連絡いただける窓口を設けています。お問い合わせフォームまたはお電話(03-3681-1009)でお受けし、担当部署とは別に内容を確認します。
社内の従業員からの通報についても、不利益な取り扱いを受けないことを社内規程で定めています。
なお、当社スタッフに対する著しい迷惑行為への考え方についてはカスタマーハラスメントに対する方針に記載しています。ご家族に安心してご相談いただくためにも、働く者が安全に業務にあたれる環境を守る必要があると考えています。