花環の店から始まった105年
当社は大正10年、江東区で花環をお届けする店として仕事を始めました。当時は葬儀社という業態そのものがまだ整っておらず、地域の方が亡くなれば近隣の方々が集まって支度を整えるのが当たり前の時代でした。そこに花環を届け、やがて葬儀の支度そのものを請け負うようになり、都内でもいち早く霊柩車を導入して、ご遺体をお運びする役割を担うようになりました。
関東大震災、戦争、戦後の復興、高度経済成長。江東区の街並みは何度も姿を変えましたが、そのたびに「送る」という営みだけは途切れることなく続いてきました。当社が105年という時間を重ねることができたのは、優れた仕組みを持っていたからではありません。町の中に居続け、呼ばれたときに必ず出ていく。その繰り返しを、先代から受け継いできただけだと考えています。
葬儀のかたちは変わりました
この十数年で、葬儀のかたちは大きく変わりました。かつては会社関係やご近所の方を含めて何百人もの方をお迎えする一般葬が中心でしたが、いまはご家族とごく親しい方だけで静かに過ごす家族葬が主流になり、一日葬や火葬式を選ばれる方も年々増えています。喪主様の年齢が上がり、会葬される方のご負担に配慮して規模を絞る、というご判断も少なくありません。
感染症が広がった数年間は、この変化がさらに加速しました。参列を控えていただく、会食を行わない、面会の時間を短くする。やむを得ない対応が続き、「本当はもっとお別れをしたかった」というお気持ちを何度も伺いました。あの時期に私たちが学んだのは、規模の大小ではなく、ご家族が納得して見送れたかどうかがすべてだということです。
押し売りをしない、ということ
葬儀は、比較検討する時間がほとんどないまま決めなければならない、数少ない買い物です。だからこそ、葬儀社が勧めれば、ご家族は断りにくい。私たちはその立場の差を、いちばん警戒しなければならないと考えています。
当社が徹底しているのは、必要のないものをご提案しないことです。祭壇の格を上げること、供花を増やすこと、返礼品を良いものにすること。それ自体が悪いのではなく、ご家族が本当に望んでいるかどうかを確かめずに勧めることが問題だと考えています。お打ち合わせでは、まず何を大切にしたいのかを伺い、そのうえで必要なものと、いま決めなくてよいものを一緒に整理します。お見積りは火葬料金や式場使用料を含めた総額でご提示し、ご承諾をいただいてからご葬儀を行います。当日のご利用状況で変わる項目は、その場で必ずご説明します。
終わったあとも、窓口を閉じない
お葬式が終わると、葬儀社との関係はそこで切れるのが一般的です。しかし実際には、ご家族の課題はそこから始まります。四十九日の法要、納骨、仏壇や位牌の準備、名義変更や年金の手続き、そしてお墓をどうするか。どこに相談すればよいのか分からないまま、時間だけが過ぎてしまうご家族を、私たちは数多く見てきました。
当社が葬儀の施行だけでなく、海洋散骨、墓地・納骨堂のご紹介、仏壇・仏具の販売といった供養に関わる事業を自社で手がけているのは、そのためです。相談先を探し直す負担をなくし、「困ったらまずここに聞けばいい」と思っていただける窓口であり続けたいと考えています。
地域に対する責任
これから日本は、年間の死亡数が過去最多を更新していく時代に入ります。江東区も例外ではありません。火葬場が混み合い、お待ちいただく日数が延びる。ご高齢のご夫婦だけの世帯が増え、喪主を務める方ご自身が高齢である。おひとりで暮らしていた方をどうお見送りするか。こうした課題は、一社の努力だけで解決できるものではありませんが、地域で葬送を担う事業者として、逃げずに向き合うべきものだと考えています。
私たちは、24時間365日の受付体制を自社で維持し、自社車両と提携する運送事業者で、深夜早朝でもお迎えに伺える体制を守っています。ご依頼が重なった夜にも、提携先と連携してお迎えの時間を確保します。安置場所の確保、災害時の対応、寺院や公営斎場との連携。目立たない備えこそが、地域のインフラとしての責任だと考えています。
これから
私は2011年に代表に就任しました。それ以来、社内で繰り返し伝えているのは、決めつけないこと、そして急かさないことの二つです。ご家族には、それぞれのご事情と、それぞれの時間の流れがあります。私たちの都合で答えを求めてはいけません。
これからも、事前のご相談は無料で、何度でもお受けします。今すぐ決めなくても構いません。終活のこと、お墓のこと、まだ葬儀の話ではないご相談も歓迎します。105年のあいだ、この町でそうしてきたように、これからも江東区の皆様の隣にいる会社であり続けます。
当社がどのような考え方で仕事をしているかは経営理念と行動指針に、費用をどうお示しするかは葬儀の費用についてに、江東区大島の施設については施設案内にまとめています。ご相談はお問い合わせから承ります。
株式会社 大原セレモニーハート
代表取締役 茂木 圭吾