喪主の挨拶は、そのままお読みいただいて構いません
喪主のご挨拶は、うまく話すことが目的ではありません。ご会葬いただいたことへの御礼と、この先も変わらぬお付き合いをお願いすること。この二つが伝われば十分です。
下の例文は、そのままお読みいただけるように整えたものです。紙に書き写して、当日手に持って読み上げていただいて差し支えありません。ご不安な場合は、担当者が事前に文面を一緒に整えます。
通夜焼香終了後の挨拶
本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。(故人の名前)も皆様の御厚情の程を感謝している事と存じます。明日の葬儀・告別式は○時からでございます。宜しくお願いいたします。尚、お時間の許されるお方はゆっくりしていただけますようお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
通夜振る舞いのお席へお誘いする一文を含んでいます。お食事のご用意がない場合は、その部分を省いてください。翌日の告別式の開始時刻は、必ずご確認のうえお伝えください。
告別式終了時の挨拶(出棺時)
本日はお忙しい中、(故人の名前)の葬儀にご参列賜りありがとうございました。遺された私どもに対しましても、今後とも変わりないご指導とご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げまして、ご挨拶に代えさせていただきます。
出棺の直前、霊柩車の前でご会葬の皆様に向かって述べます。屋外で、しかも人数が多い場面ですので、短くはっきりと話すことを心がけてください。故人様との思い出をひと言添えたい場合は、御礼のあとに一文だけ加えると収まりがよくなります。
精進落しの開式挨拶・献杯の発声
本日はお忙しい中、わざわざお越しいただきまして誠にありがとうございました。またご丁寧に、お供えまで頂戴いたしまして恐縮でございます。故人は生前、ここにお集まりの皆様に大変お世話になっており、ご出席いただきました事をさぞ喜んでいる事と存じます。ささやかながらお食事の用意をさせていただきましたので、故人の話などをお聞かせいただきたく存じます。まずは献杯をさせていただきたいと思いますので、ご唱和をお願いいたします。献杯。
献杯は乾杯とは異なり、杯を高く掲げず、発声のあとの拍手もしません。喪主ご本人ではなく、ご親族の年長者や故人様と親しかった方にお願いすることも多くあります。どなたにお願いするかは、事前にお決めいただくとスムーズです。
精進落しの閉式挨拶
本日は突然のことであったにもかかわらず、弔問いただきまして、誠にありがとうございました。本日はお開きとさせていただきます。皆様の温かいお話に、さぞかし故人も喜んでいることと思います。どうぞお気をつけてお帰りください。誠にありがとうございました。
お開きの時刻は、あらかじめ担当者と決めておきます。おおむね1時間から1時間半が目安です。四十九日法要の予定が決まっている場合は、この場でお伝えしておくとご案内の手間が減ります。
そのほかの場面
弔問客への対応
ご会葬の方からお悔やみの言葉をいただいたときは、「恐れ入ります」「ありがとうございます」「お忙しいところ恐れ入ります」といった短い言葉で十分です。長く話す必要はありません。
喪主は式の間、多くの方に対応することになります。すべての方に同じだけお応えするのは難しいものです。ご親族に受付や案内をお願いしておくと、負担が分散します。
寺院へのご挨拶
ご住職がお着きになったら、控室でご挨拶をします。「本日はお世話になります。よろしくお願いいたします」で結構です。お布施は、式の前後どちらでもお渡しできますが、慌ただしくない時間帯を担当者にご相談ください。
お渡しの際は、袱紗から出し、切手盆か小さなお盆に載せて差し出します。表書きは薄墨ではなく普通の墨を用います。お布施のほかに、遠方からお越しいただく場合は御車代、会食にご同席されない場合は御膳料を、それぞれ別の封筒でご用意ください。
返礼の挨拶状
ご会葬いただいた方へお渡しする会葬礼状と、四十九日の忌明け後にお送りする香典返しの挨拶状があります。いずれも文面は定型のものをご用意しますので、故人様のお名前と喪主のお名前をご確認いただくだけで結構です。
挨拶状では、句読点を用いないのが慣習とされています。また、忌み言葉を避ける点は、口頭のご挨拶と同じです。会葬礼状は定型の文面をご用意しており、お渡しする枚数に応じて手配します。費用については追加費用についてをご覧ください。
挨拶を考えるときの三つのコツ
短くてよい
喪主のご挨拶は、1分から2分で十分です。ご会葬の皆様は立ってお聞きになっていることも多く、長い挨拶はかえってご負担になります。御礼と、今後のお付き合いのお願い。この二つが入っていれば形は整います。
読み上げても構わない
暗記する必要はありません。紙に書いて、当日手に持って読み上げていただいて差し支えありません。かえって落ち着いて話せます。文字を大きめに書いておくと、屋外や暗い場所でも読みやすくなります。
忌み言葉を避ける
不幸が重なることや繰り返すことを連想させる言葉は避けます。
| 分類 | 言葉の例 |
|---|---|
| 重ね言葉 | 重ね重ね/返す返す/たびたび/つぎつぎ/しばしば/くれぐれも |
| 繰り返しを意味する言葉 | 重ねて/再三/再び/追って/続いて |
| 不吉な意味の言葉 | 浮かばれない/迷う/四(死)/九(苦) |
「くれぐれもよろしく」は「どうぞよろしく」に、「重ねて御礼申し上げます」は「あらためて御礼申し上げます」に言い換えます。気づかずに使ってしまっても、それでご会葬の方が気を悪くされることはまずありません。気負わずにお考えください。
喪主をどなたが務めるか
喪主は、ご葬儀を主宰し、ご遺族の代表として弔問をお受けになる方です。配偶者または長子が務めることが多いものの、決まりはありません。ご高齢やご体調の都合で、ご挨拶だけを別の方にお願いすることもできます。
ご挨拶をされる方は、開式の前に一度、文面を声に出して読んでみてください。それだけで当日の落ち着きが違います。ご参列の作法については参列のマナー・服装を、当日の進行についてはご逝去からご葬儀までの流れをご覧ください。